シヴァ神【ヒンズー教の破壊と再生の神】両極性をもつ  

神様

ヒンズー教のインド神話の神様シヴァ神は、破壊と再生の神様で両極性をもっています。

怒ったらとても怖く全てを破壊しかねない程の怖さと、その反面慈悲深く全てを包み込む大きな優しさをもっています。

破壊の力の方がインパクトが強く強調されています。

①【シヴァ神 ヒンズー教の破壊と再生の神 両極性をもつ】破壊と再生(創造)の神

シヴァ神はヒンズー教の三主神(ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ)のうちの一柱(ひとはしら/柱は神を数える時の単位)で圧倒的な人気があり、インド国内にはシヴァ神を祀った無数の寺院があります。

インド神話によるとシヴァ神は妻パールヴァティーが生まれたヒマラヤの山の中で苦しい修行をしたといわれています。

シバァ神には両極面があり「破壊と再生の神」といわれ、まったくの両極面を持っているのです。

破壊と再生は対極になるので、両方の性質があることでシヴァ神はそれで安定し、シヴァ神自身が成り立っているのですね。怖い面と優しい面が両極端ということです。

シヴァ神の姿は額の真ん中に縦に付いた第三の目をもっていることが特徴の一つです。

そして三日月形の髪飾りを髪に飾り、蛇(ヘビ)を首にかけ、三叉(ざ/またという意味)の戟(げき/鉾 ほこ)を持ち、ダマル(小さな双頭の太鼓でシバァ神の楽器として知られているもの)や牛がシンボルです。

牛は白い雄牛の聖牛で名前は「ナンディン」といい、シヴァ神の乗り物になっています。

シバァ神の肌の色は黒っぽいのですが黒だと見づらいこともあり、絵では青い肌で描かれることが多いのです。

ヒンズー教ではシバァ神の息子のガネーシャの像で、象の頭と四本の腕と太ったお腹の姿で座った姿の像が象徴となっています。ヒンズー教はインドやネパールで信仰されています。

シヴァ神の妻パールヴァティーが浴室を誰かにのぞかれていると思ったため数日間体を洗わずにいて、数日ぶりに体を洗っている時にたくさん出た垢(あか)に命が吹き込まれて生まれた息子がガネーシャです。

しかしシヴァ神は突然生まれた男の子を自分の子供とは知らず、パールヴァティーに頼まれ浴室の外で見張りをしていた男の子と外出から帰ったシヴァ神は言い争いになりました。

男の子はシヴァ神を浴室ののぞき見の犯人だと思ったのです。

怒ったシヴァ神は男の子の首を刀ではねて、男の子の頭を遠くへ投げ飛ばしてしまいました。

シヴァ神は浴室から出て来たパールヴァティーから子供は自分達の子供と聞かされ、子供の頭を探しに行きますが見つからず、通りすがりの象の頭を持ち帰り子供の首に付けたところ、子供は復活し象の頭をもつことになったのです。

ガネーシャの名はサンスクリット語(古代インド語)で大衆(ガナ)の主(イーシャ)という意味で、ガネーシャはインドの国民的な神様です。

単純な感想ですがシヴァ神のしていることは、まさに破壊と再生だと思います。

カーッとして子供の首を刀ではねるとはシヴァ神は本当に怒ったら怖いのですね。相手は子供ですよ。

しかし象の頭となった息子をしっかり自分の息子として慈しみ大切にするのですから、シヴァ神はとても優しいのです。

このことからみてもシヴァ神の怖さと優しさは両極端ということが分かります。

シヴァ神には子供は二人いて、二人共息子で一人はガネーシャで、もう一人は弟のカルティケーヤ(スカンダ)で戦いの神様(軍神)です。

ガネーシャの乗り物はネズミで、カルティケーヤの乗り物は孔雀(くじゃく)です。

現在のヒンズー教では未来の神であるシヴァ神と現在の神であるヴィシュヌ神が崇拝され、過去の神であるブラフマーは影を潜めています。

シヴァ神は圧倒的な人気があり、インド全域に多くの崇拝者がいます。

ヒンズー教の教えは現世の良い行いが良い来世に繋がるという教えで、この現象を輪廻転生(りんねてんしょう)といいます。

輪廻転生とは命あるものは何度も転生(てんせい てんしょう/生まれ変わること)し、人に限らず動物を含めた生き物として生まれ変わることをいいます。

輪廻(りんね)とは何度も無限に転生を繰り返すことをいいます。

人は人生で法と富と愛を求め、最終的には輪廻から抜け出ることがヒンズー教の目標とされます。

②【シヴァ神 ヒンズー教の破壊と再生の神 両極性をもつ】インド神話の三主神

インド神話は紀元前1500年から紀元前900年頃に作られたといわれています。

ブラフマーが宇宙を創造し、ヴィシュヌが維持し、シヴァが破壊しています。

シヴァ神(英語表記 Siva)の名前はサンスクリット語(古代インド語)で「縁起の良い者」という意味です。

シヴァ神は未来を司っていて、怒らせると世界が終わる程に怖い反面、病気を治すこともできるくらいに慈悲深い神様だといわれています。

作物にとっては作物をなぎ倒す暴風雨になる一方、人々にとって大切な作物を育てる恵みの雨となる両方を司っているということです。

ブラフマーは世界と宇宙を造り出したヒンズー教における創造神です。

水(ナラ)が生まれ、水の中にまかれた種は黄金の卵である宇宙卵になり、宇宙卵からブラフマーが生まれ、ブラフマーは様々な生物や世界を創造しました。

ブラフマーはインド神話の最高神で過去を司り、4つの顔と4本の腕を持った姿をしています。元は顔が頭の上にもあり5つの顔があったのですが、シヴァと争った時に切り落とされてしまっています。

ブラフマーの妻はヒンズー教の女神サラスヴァティーで日本の七福神の弁財天です。

あまりに美しいサラスヴァティーをブラフマーはいつも見ていたいため、ブラフマーは前後左右に顔を付けたため4つの顔をもつことになったのです。

ブラフマンとはヒンズー教の以前のバラモン教の思想での宇宙の根本原理のことで「梵(ぼん」といわれ、ブラフマンは中性形でありブラフマンを男性形にした神がブラフマーで「梵天(ぼんてん)」と漢訳されます。

ブラフマンが神格化してブラフマーになりました。

ヴィシュヌは現在を司る神様で、現在を維持する役割があります。

ヴィシュヌはシヴァより強い圧倒的な力でインド神話の中では最強といわれ、三歩で地球を一周する、またまばたきをする瞬間に地球の始まりから終わりまでが過ぎていくというのですから、その凄さには言葉が出ません。

ヴィシュヌは太陽を神格化した神様です。

そしてヴィシュヌは動物や人間の英雄に姿を変えて人々を救うのです。

ヴィシュヌはまたの名を化身(けしん)を意味する「アヴァターラ」と呼ばれており、現在一般に使われている自分の分身であるマークのアバターという言葉の語源にもなっています。

仏教の開祖である仏陀はヴィシュヌの9番目の化身(けしん)といわれ、ヴィシュヌは仏陀をヒンズー教に存在させています。

ヴィシュヌはインド神話の鬼神(きじん/乱暴で恐ろしい神)であるアスラが戦いを起こそうとすることを疎(うと)ましく思い、アスラを困惑させるため、自分を仏陀として仏教を開きます。

仏陀はバラモン教とヒンズー教の聖典ヴェーダに対して反ヴェーダ思想だったので、ヴィシュヌは仏陀を自分の化身(けしん)とすることでアスラを追放できると考えたのです。

③【シヴァ神 ヒンズー教の破壊と再生の神 両極性をもつ】大自在天(だいじざいてん)

シヴァ神は仏教に取り入れられ大自在天(だいじざいてん)となり、仏法守護神になりました。シバァ神の仏教でのお姿が大自在天です。

大自在天は一般的に三目八臂(さんもくはっぴ/臂は肘という意味)のお姿で、一つのお顔に三つの目と八本の腕をもち天冠をつけ三叉の戟(さんざのげき/三又のほこ)を手に持ち、白牛に乗っています。

腕が何本もあるのは救おうとする人に合わせたお姿になるためで、救おうとする人に沿わせたお姿になるための手段だといいます。

大自在天はサンスクリット語(古代インド語)のマヘーシュバラ(音写 摩醯首羅 まけいしゅら)のことで、大主宰神という意味です。

主宰というのは人々をまとめ中心になって物事を行うことをいうので、大主宰神というのはそのための大きな役目を持った神様ということになります。

大自在の意味は、何のしがらみもなく自由なことをいいます。

シヴァ神の妻パールヴァティーはヒンズー教の母性愛の女神で、とても優しい女神です。

パールヴァティーはヒマラヤ山脈の山の神であるマヴァットの娘であり、パールヴァティーという名は山の娘という意味で、ヒマラヤ山脈のカイラス山にシヴァ神と暮らしていているとされています。

カイラス山はシヴァ神とパールヴァティーが住む世界で一番の神聖な山で、登山は禁止となっています。

カイラス山は不気味なほどに神々しい山です。

また大自在天は平安時代(794年~1185年)の貴族・学者・政治家である菅原道真(すがわらのみちざね/845年~903年)の御霊(みたま)から空しさを取り除き安らかにしました。

菅原道真は朝廷の人物で左大臣の藤原時平(ふじわらのときひら)らの陰謀にはめられ、筑前国(福岡県)太宰府(だざいふ)に、大出世した右大臣の地位から大宰権帥(だざいのごんのそち/大宰帥 だざいのそち の代役)に左遷(させん/身分が下がること)させられてしまいました。

そして菅原道真は九州太宰府での劣悪な環境の中、左遷(させん)からわずか二年で、一緒に太宰府に移り住んだ家族(妻と幼い子供二人)を含め四人全員ともお亡くなりになりました。

その後菅原道真の死後30年間に渡り、菅原道真の左遷(させん)に関わった朝廷の人物とその関係者に不吉な死が相次いだため、醍醐天皇は菅原道真の怨霊の祟(たた)りだと畏れおののき、菅原道真の死後のお名前を天満大自在天神とします。

当時は神社と寺院が一体となる神仏習合が盛んな時代でした。

そして醍醐天皇の勅命で太宰府天満宮や北野天満宮が建てられ、菅原道真の御霊(みたま)をお祀りしました。

すると朝廷関係者達の不吉な死はおさまったといいます。

菅原道真の御霊(みたま)は仏陀による仏教を通じて、シヴァ神の仏教でのお姿である大自在天によって救われたのです。

菅原道真の御霊(みたま)はシヴァ神により救われたのです。

④【シヴァ神 ヒンズー教の破壊と再生の神 両極性をもつ】大黒天

日本の七福神の中の大黒天もシヴァ神の1000以上ある異名のうちの一つです。

だいこくは大国(だいこく)という意味もあり、大黒天は日本神話の古事記の「因幡の白兎」(いなばのしろうさぎ)で有名な大国主命(オオクニヌシノミコト)の大国と混同され、神仏習合の際に同一視され同一の神ということになりました。

シヴァ神が姿を変えた一つの神格のマハーカーラは、大いなる暗黒という意味で大黒天のことです。

大黒天は豊作と財運の神様として福の神であり、右手に打ち出の小槌を持ち、左の肩に福が詰まった大袋を担いでいることが特徴です。大黒天は黒っぽい肌をしています。

⑤【シヴァ神 ヒンズー教の破壊と再生の神 両極性をもつ】まとめ

シヴァ神というとまず大きな存在感の凄い神様という予想がつきます。

シヴァ神は誰でもどこかで聞いたことのある神様ではないかと思います。

インドはとても人口の多い国で約14億66万人(2022年度)もの人が住んでいて、シヴァ神がその中で絶対的な人気があるということは、シヴァ神は相当多くのインドの人々の心の中にいつも生きているということです。

シヴァ神は神様なので亡くなることはなく、これからもずっと永遠なのです。

ちなみに2022年度の時点で、世界で人口一位の国は中国で約14億4850万人で二位がインド、三位がアメリカ合衆国で約3億3480万人となっています。

日本は人口1億2560万人で世界で十一位で、狭い国土面積の日本も人口の多い国です。世界人口は79億5400万人です。

インドの国土面積は世界第七位です。インドには豊かな水がありお米が豊作なことも人口増加に繋がっているといわれます。

世界中でシヴァ神がどれだけ多くの人々に浸透しているのか想像がつきません。

日本の神道は神仏習合していた時代の仏陀(お釈迦様)の悟りで思想が豊かになりました。

仏陀(お釈迦様)はインド出身ということでバラモン教から繋がっていったヒンズー教とも関わりがあり、シヴァ神との繋がりがみられます。

文化は国々で連携していて巡っているのですね。

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