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日本の仏塔(仏舎利塔)【お釈迦様の魂が宿る】

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お釈迦様

仏塔(仏舎利塔)というと世界最古の木造建築の法隆寺の五重塔が頭をよぎります。

お釈迦様が五重塔を通じて人々に上を目指しさらに上を目指すようにと諭してくれて、今なお強度を誇る建築様式から世界文化遺産となった法隆寺の五重塔のように、強い人間になって幸せを築くようにと魂の声を送ってくれているように思えます。

①【日本の仏塔(仏舎利塔) お釈迦様の魂が宿る】仏塔とは仏舎利塔(ぶっしゃりとう)のこと

仏塔は仏教建築における塔のことで、卒塔婆(そとば)を略したものです。

仏塔には仏舎利(ぶっしゃり)が安置(丁重に据え置くこと)され供養・報恩(ほうおん/恩に報いること/仏事)されています。

仏舎利(ぶっしゃり)とはお釈迦様の御遺骨を指し、舎利(しゃり)というとお釈迦様や聖者の御遺骨を指し特にお釈迦様の御遺骨を指し、塔に納められ祀られています。

古代インドでお釈迦様の御遺骨を祀って建てられたお釈迦様の墓所をストゥーパ(仏舎利塔)といい、中国ではストゥーパの音写として卒塔婆(そとば)となり、日本ではそれを略して「塔」と呼ばれるようになりました。

「舎利」という言葉はサンスクリット語(古代インド語)のシャリーラ(骨・構成要素)が起源です。複数形で遺骨という意味になります。

白い奇麗なお米はまるでお釈迦様の荼毘(だび/遺体を火葬して弔うことをいう仏教用語)に付(ふ)された御遺骨と似ているとされ、お米のことも「シャリ」というようになったといいます。

お釈迦様の御遺骨は白い小粒のお米と同じくらいに、それほどに綺麗なものなのですね。

お釈迦様の綺麗な心が、綺麗な御遺骨となって遺っているのですね。

古代インドでお釈迦様が入滅した紀元前三世紀に、お釈迦様の死を悼み数か所に分配されて祀られたお釈迦様の御遺骨は、後にアショーカ王(紀元前304年~紀元前232年/インド全域を統一し仏教を守護した大王)に集められ、再度分配されさらに多くの場所にストゥーパ(仏舎利塔)が造られました。

インドで造られた最古のストゥ一パは紀元前二世紀に造られたといいます。

ストゥーパ(仏舎利塔)は当初は礼拝の場所でしたが、だんだんと装飾がされるようになり高層化していきました。

日本の仏塔も仏舎利を安置し、供養・報恩などのために設けられた多重層の建造物で、五重塔(ごじゅうのとう)や三重塔(さんじゅうのとう)をはじめ多宝塔(方形の初層の上に円形の上層を重ねた二層造りの塔)や大塔(だいとう/大きな塔や大きな多宝塔)などがあり、建築様式は多くの種類があります。

日本国内に一つだけある十三重塔(じゅうさんじゅうのとう)は談山(たんざん)神社(奈良県桜井市多武峰 とうのみね)にあり世界で唯一の木造十三重塔です。

談山神社の十三重塔は室町時代後期の1532年に建立され、大化の改新(大化元年645年 律令国家を築くための政治改革)の中心人物であった藤原鎌足公が御祭神として祀られています。

談山神社は大化の改新の政治改革がこの土地で行われたことに因(ちな)んで談山(たんざん)の名が付けられました。かつては妙楽寺(みょうらくじ)いうお寺と一体でしたが、明治時代になり神仏分離令のために神仏習合が廃止になり神社だけになりました。

このことから十三重塔は仏舎利塔ではありませんが、十三重塔は談山(たんざん)神社のシンボルになっています。

②【日本の仏塔(仏舎利塔) お釈迦様の魂が宿る】法隆寺の五重塔

五重塔というと東京都の浅草寺(せんそうじ/台東区浅草)の五重塔や、京都や奈良の五重塔が思い浮かびます。

法隆寺(奈良県生駒郡 いこまぐん)の五重塔はとても有名です。

五重塔があると間違いなく観光地になるという印象があります。

全国に五重塔は約80塔あります。

法隆寺は飛鳥時代の607年に奈良大和路に聖徳太子(574年~622年)が建立した寺院で、斑鳩(いかるが)という地に建てたため当時は斑鳩寺(いかるがでら)と呼ばれていました。

聖徳太子の父である用明(ようめい)天皇が寺院建立を願っていて、聖徳太子は父の願いを叶えるために寺院として法隆寺を建てたと言われています。

聖徳太子は用明(ようめい)天皇の第二皇子です。

国家安泰のために貢献した聖徳太子は仏教を深く信仰し、仏教を讃え仏教を広めることに力を尽くしていました。

そして聖徳太子は仏教に厚い信頼を寄せていました。

日本の偉人の象徴である聖徳太子が、インドの偉人の象徴であるお釈迦様を絶対的に信頼していたのです。

総檜(ひのき)造りの法隆寺は耐久性が非常に良く、現存する世界最古の木造建築物として仏教の美的装飾に優れていて仏教寺院としての文化的価値が高く、1993年(平成5年)に国内初の世界文化遺産に登録されました。

寺院の中心には、国宝の五重塔と国宝の金堂(こんどう/寺院で御本尊を安置する本堂)が並んでいます。

五重塔とは層塔という楼閣をもつ仏塔で、屋根が五重の塔のことをいいます。

五重塔には古代インドの思想である地(土)・水・火・風に空虚(こくう)を加えて五大思想の意味があります。

地・水・火・風は宇宙を構成する四大元素の要素で、古代インドだけでなく古代ギリシャ、ローマ、イスラムの国々、中国の五行説(万物は火水木金土から成るという自然哲学)でも重要視されていました。

ギリシャ神話の神様達は星座につながります。

古代から伝わる西洋占星術でも誕生日の十二星座は四大元素の要素のどれかに属し、四大元素の持つ性質が大きく働きその人の性格や運勢が占われています。

四大元素の持つ性質はとても大切なもので、今の占星術でも同様で重要な役割をしています。

今ではギリシャ神話は世界的な神話になっているので、四大元素の思想も世界的な思想なのです。

五重塔では下から、地は土であり基礎となります。

次は水で塔身(とうしん)を形成しています。

三番目は火で笠を表しています。

四番目は風つまり空気のことで請花(うけばな)を表します。

請花とは相輪(そうりん/塔で屋根から天に突き出た金属製の部分全体のこと)の宝珠(ほうじゅ)の下に付いている花形の飾りで、多くは八葉(はちよう)の蓮華(れんげ)で上を向いています。

最後が虚空(こくう)で宝珠(ほうじゅ)を示します。

宝珠(ほうじゅ)はお釈迦様の教えまたお釈迦様の象徴とされるもので仏塔や仏堂の上に使われ、上にいくにつれ上部が尖(とが)っている玉ねぎのような形のものです。

また宝珠は菩薩像や地蔵菩薩像や観音像の持ち物で手の平を上に向けて持ち、祈りの対象になっています。

宝珠(ほうじゅ)には霊験をあらわす力と無限の力があるとされ、意のままの願いを叶える宝の珠であり、魔除けと願いが叶うという意味を持っています。

宝珠は如意宝珠(にょいほうじゅ)ともいわれサンスクリット語(古代インド語)でチンターマニ(願いを叶える珠)といいます。

チンターは「思考」でマニは「珠」という意味です。

サンスクリット語で虚空(こくう)・空間・天空をアーカーシャといいます。

虚空(こくう)界は何も妨げるものがなく全てのものの存在する場所、何もない空間とされます。

宇宙と人は四大元素で成り立ち、五重塔も四大元素の全てと虚空(こくう)で成り立ち、五重塔の成り立ちはこの世の成り立ちのようです。

法隆寺は積み上げ構造という建て方で造られており、塔の真ん中の心柱(しんばしら)という柱は各階で切り離されていて一本の柱が下から上まで突き抜けているのではなく、各階が重ねられている構造になっています。

今から1450年前の心柱(しんばしら)は今でもしっかりしているといいます。

五重塔全体が「木組み」という技術で造られ、釘(くぎ)やボルト等の金属は使われていません。

法隆寺は宮大工(みやだいく)発祥の地といわれています。

五重塔は屋根が五段になっているので外観から五階建てのように見えますが、平屋建てでつまり一階建てで床は一階部分にしかない構造になっています。

私は、初めてその一階建てということを知った時は驚いてしまいました。

法隆寺の五重塔(木造)の高さは約32mです。

日本の木造の五重塔で一番高いのは東寺(とうじ/教王護国寺 きょうおうごこくじ/京都市南区)で約55mで国宝であり世界文化遺産です。

日本の五重塔で一番高いのは大師山清大寺(だいしざん せいだいじ 福井県勝山市 かつやまし)の五重塔で約75mあります。

大師山清大寺(だいしざん せいだいじ)は1987年(昭和62年)に建立された寺院で、五重塔は鉄筋コンクリート造りで、五階まであり階段もエレベーターもあります。

清大寺の越前大仏の高さは奈良の大仏より2m高く約17mで、鎮座している大仏の大きさでは日本一です。

浅草寺(せんそうじ/東京都台東区浅草)の五重塔は1973年(昭和48)に建てられ、鉄筋コンクリート造りで高さは約53mです。

③【日本の仏塔(仏舎利塔) お釈迦様の魂が宿る】まとめ

お釈迦様の御遺骨はたくさんの数に分骨され、安置されている所には素晴らしい仏教建築の建造物が建てられています。

それはお釈迦様が偉大であることの証です。

仏教寺院は世界中のあちらこちらにとても沢山あり、お釈迦様の御霊(みたま)はあまりの仏教寺院の数の多さと仏舎利塔を含めた寺院の建築技術の凄さを嬉しく思い、いつも人々を大切に見守ってくださっていると思います。

お釈迦様がお生まれになったインドのみならず周囲の国一帯に広まった仏教の教えは、人は幸せになるために生きるという諸行無常の悟りです。

五重塔がさらに上またさらに上に重なっていくように自分も日々向上し、また建てられてから1000年をとっくに過ぎていても強度を誇る法隆寺の五重塔のように、自分も強い人間でありたいというのが理想で、お釈迦様もそうあるようにと願ってくれているように思います。

各地の仏舎利塔から「がんばれー」というお釈迦様の声が聞こえてくるようです。

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