日本ではお釈迦様のことはたくさんの呼び名がある中で「お釈迦様」という呼び名が一般的になっていて、子供からお年寄りの方にも幅広くお馴染みの呼び名になっています。
お釈迦様の本名は「ゴータマ・シッダールタ」といい、ゴータマには優れた牛という意味があり、シッダールタには成し遂げるという意味があります。
①【たくさんあるお釈迦様の呼び名】お釈迦様 釈迦
日本では一般的にお釈迦様のことを「お釈迦様」または「釈迦」という通称で呼ぶことが多いです。この呼び名はお釈迦様がシャーキャ(Sakya)族出身ということから由来しています。
釈迦とはシャーキャ族のことでシャーキャを音写(漢字表記)したものです。
シャーキャ族はモンゴル系アーリア人(もとは中央アジアの高原地帯に住んでいた遊牧民族)かともいわれています。
今から約2500年前の紀元前6~5世紀にお釈迦様がお生まれになった国は、ヒマラヤ山脈のふもとのカピラヴァットゥという小さい国で、お釈迦様の父親は国王でした。
シャーキャ族は古代北インドの一部族で、カピラヴァットゥ国は後に北インドの強大な王国コーサラ国に滅ぼされます。
現在はお釈迦様の出身地ルンビニーはインドではなく、インドの国境まで4kmの距離の地域のネパール王国領に属しています。
シャーキャ族はバラモン教を重視せず典型的なバラモン社会というわけではありませんでしたが、お釈迦様は王家の長男としてお生まれになっているので、お釈迦様の身分が一般庶民よりはるかにいいことには違いありません。
お釈迦様は王家に生まれましたがお釈迦様の母親マーヤー夫人がお釈迦様を産んで七日目にお亡くなりになり、お釈迦様は母の妹マハー・パジャーパティーに育てられ、そのためか何不自由なくても考え込んだり物思いにふけることが多かったといいます。
そのため王である父シュッドナータ王はお釈迦様を若い年齢で結婚させました。
お釈迦様は19歳で結婚し妻と一人息子がいる身であり、父親である王も大切なあと取り息子がいなくなることを大変残念がる中、煌(きら)びやかな生活とは裏腹に老・病・死について思い悩むことで苦しみ、とうとう29歳の時出家したのです。
②【たくさんあるお釈迦様の呼び名】本名はゴータマ・シッダールタ
お釈迦様の本名はゴータマ・シッダールタといいこれが俗名(ぞくみょう ぞくめい)で出家する前のお名前であり世間に身を置いていた時のお名前です。
生後5日目に命名式が行われました。
ゴータマは姓で音写で「喬答摩 ごうたま」となり、シッダールタは名で音写で「悉達多 しっだるた」となり、姓名で「喬答摩・悉達多 ごうたま・しっだるた」となります。
ゴータマ・シッダッタ、ガウタマ・シッダールタという呼び方もあります。
シャーキャ国は農耕の国であり牛との関りが深いことから「ゴータマ」には「優れた牛」という意味があります。
父シュッドナータ王の姓も勿論「ゴータマ」です。いつ頃付けられたかは分かっていません。
「シッダールタ」には「成し遂げる」という意味があり、シッダールタという名はお釈迦様の父シュッドナータ王が名付けました。
王である父親はお釈迦様に王位を継いで欲しかったのです。
お釈迦様は出家したためゴータマ・シッダールタという名は俗名になりましたが、お釈迦様は後に仏陀となりシッダールタという名のもつ意味の「成し遂げる」の通りの立派な人になったのです。
ゴータマ・シッダールタという名はバランスがよくまた覚えやすく、インドやネパールを思わせる名前です。
③【たくさんあるお釈迦様の呼び名】仏陀
仏陀は目覚めた人という意味で悟りを開いた人のことをいいます。
単純に考えるとお釈迦様以外の人で目覚めた人悟った人も仏陀にあたるわけですから、お釈迦様のことを呼ぶ固有名詞とは違い一般名詞になりますが、今では仏陀と言えばお釈迦様のことをさしています。
お釈迦様が仏陀の中で特に有名で、お釈迦様のことを仏陀と言う人々が多くいるうちにお釈迦様のことが仏陀と呼ばれるようになりました。
仏教でいう仏様とは仏陀のことをいい、悟りを開いた悟りの最高位の人のことです。
「陀(だ)」は梵語(ぼんご/古代インド語であるサンスクリット語)の人名用漢字で、ななめ、という意味があります。
仏陀の陀の文字を取り、仏陀のことを仏(ほとけ)ともいいます。
仏(ほとけ)とはお釈迦様など仏教の信仰対象になる優れた人のことで仏陀のことまたは仏像のことをいい、日本人は故人のことも仏(ほとけ)といいます。
④【たくさんあるお釈迦様の呼び名】釈迦牟尼(しゃかむに) 釈尊(しゃくそん)
お釈迦様は「釈迦牟尼(しゃかむに)」と呼ばれることもあり、古代インド語 Sakya-muni の音写(漢字表記)です。
牟尼(むに)とは立派な人・聖者のことでお釈迦様の尊称です。
そのため釈迦牟尼という呼び名で、シャーキャ族の聖者という意味になります。
お釈迦様のことを正しい呼び方をするとしたら釈迦牟尼となります。
お釈迦様は尊称として釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)と呼ばれることもあります。
「釈尊(しゃくそん)」は釈迦牟尼世尊(しゃかむにせそん)の略です。
⑤【たくさんあるお釈迦様の呼び名】釈迦如来
如来は悟りを開いた人のことです。
如来像は悟りを開いたお坊さんを像にしたものなのでその姿は質素で、服装は体に袈裟(けさ)を巻いているだけです。
髪型は螺髪(らほつ)というパンチパーマのような細かいパーマのような頭で、頭の上に肉髻(にっけい)という盛り上がりがあります。
これは髪の毛で盛り上がりを付けているのではなく、悟りを開いた人の象徴的なお姿として頭が二段のようになっています。
⑥【たくさんあるお釈迦様の呼び名】まとめ
お釈迦様には幾つもの呼び名があり、それぞれの呼び名には意味があります。
お釈迦様の出身のシャーキャ族のシャーキャを中国で漢字表記した「釈迦」という文字の影響で日本で「お釈迦様」が広まり、お釈迦様というと親しみやすく幅広い年齢層で呼ばれています。
お釈迦様は自分が日本で一般的に「お釈迦様」と言われ慕われていることを知らないと思いますが、お釈迦様を知らない人はいない程お釈迦様は有名なのだとお釈迦様に伝えたい気持ちです。